「マクベス レクイエム」は、
リュ・ ジョンハンさんがミュージカルではなく
演劇に挑戦した舞台です。
この公演は、国立の貞洞劇場が、
毎年一人の俳優を中心に、
その俳優の哲学と人生を込めた作品を制作するという企画公演で、
作品選びから企画・制作もその俳優に合わせるという舞台です。
そのシリーズの第2弾として選ばれたのがリュ・ジョンハンさん。
なので、リュ・ジョンハンさん自らが
シェークスピア4大悲劇のうちの一つ「マクベス」を題材に選んで
現代風にアレンジして「マクベス レクイエム」として
上演されたものです。
記者会見でリュ・ジョンハンさんは
「いつか演劇に挑戦してみたかったし、
その時は基本に戻って古典作品を選ぶべだと思った。
『マクベス』は今の時代ともマッチして自分の話みたいだと思った。
古典だけど全く違う新しさを与えるスタイリッシュな『マクベス』を準備中だ」
と語っていましたが、
時代背景は、1920年代の第一次世界大戦が終わった直後。
スコットランド国境近くのジャズバーを背景に
繰り広げられていくドラマになっているというぐあいに
所々設定を変えていて、
リュ・ジョンハンさんの言葉通り、
とっても洗練された、スタイリッシュで引きつけられる舞台でした。
そして歌が出てくる音楽劇でした。
もっとも、リュ・ジョンハンさんとマクベス夫人役の
アン・ユジンさんは歌わないのですが。
この曲がアンニュイでもの悲しく、
雰囲気をノワールチックにしてくれてとっても良かったんです。
一番最初がリュ・ジョンハンさんのセリフで始まるんですけど、
あーやっぱり声がいいわーってすごい思いました。
何とも言えない高級感漂う艶っぽさというか。
セリフの喋りにリズムが感じられて
歌を聞いた気にもなったりしました。
シェークスピアのマクベスは、
魔女の予言に突き動かされて
自分が王になるべく現在の王を殺してしまうのですが、
この舞台では、その予言は魔女によるものでなく
それはもしかしたら自分の心の中から湧いてきた欲望の声だったの かも?
というようにも見える描き方をしていました。
95分の濃密な舞台で、
良心と欲望を行き来しながら葛藤、苦悩し、
王を殺した後は罪悪感に苦しみながらも
次々と殺人を犯して、幻影におびえ、どんどん壊れていってしまう
マクベスの心理描写が克明に表現されます。
ここはもうなんと言っても、
これまでリュ・ ジョンハンさんがお得意で演じてきた
危険な男レパートリーの融合って感じ!
危険な男レパートリーの融合って感じ!
欲望、葛藤、狂気、恐怖、精神崩壊、あぁ似合いすぎる。
おまけに、スーツ姿にロングジャケット、 ロングコートなのが嬉しいのです。
演出も照明も印象的で、
リュ・ジョンハンさんの顔の陰影をくっきりとさせて
善の中の悪を浮き彫りにさせているような感じ。
殺人を犯して血塗られた様子を白い粉で表現していて
途中からは血塗られた顔ならぬ、
白い粉を擦り付けた顔で演技が続けられます。
そしてラストが原作とは変えていたんですよね。
そういう意味で「レクイエム」ってしているのか~
と思いました。
カーテンコールの最後がまたかっこいいんです。
もう上演が終わってしまったからネタバレしますが、
最後はリュ・ジョンハンさんが一人バーのテーブルにもたれて
グラスを掲げて客席に向かってニヤリと笑ったところで暗転するので
客席がキャーッと沸くという幕切れでした。
始まったころに2回観て、
あとはクリスマスの時期にもう一度観に行きましたが、
演技もより深くなっていたし、
こちらもいろいろと見どころを分かったうえでの3回目だったので
ずっしりと見ごたえを感じる、
ものすごく充実した時間になりました。
音楽劇で何曲か歌が入るのですが、
全般に曲がいいなと思ったら、
なんと好きだった「 タイヨウのうた」 のハンボラムさんが音楽監督で
同じく「タイヨウのうた」の脚本だったキム・ ハンソルさんが
作詞や脚色を手掛けてました。
ジャズバーで歌う役などで登場。
「タイヨウのうた」 率が高くてなんだか嬉しかったです(^^♪
この貞洞劇場に行く道が石垣沿いの通り貞洞道(チョンドンキル)。
劇場への行き帰りが美しくて癒されました。
時期がちょうど12月のクリスマスシーズンだったので
クリスマスイルミネーションも加わって美しかったです。
【関連記事】
このブログはリュ・ジョンハンさんの記事が多いのですが、
代表的なものを載せておきます
リュ・ジョンハンにハマる
リュ・ジョンハン出演「どっぷり韓国ミュージカル!」
『ドラキュラ』に落ちる
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2023年1月1日