『ソウルの春』は面白い!
歴史的事実をモチーフにしているので、
面白いと言ってしまうと、この実際の出来事で
犠牲になった方々に申し訳なく感じてしまいますが、
それでも、韓国現代史の流れを変える分⽔嶺となった
9時間の攻防を克明に描いているこの作品は、
手に汗握る権力争いの残酷さをまざまざと見せつけ、
観ていて力の入る作品です。
パク・チョンヒ大統領の暗殺を描いた映画は
『ユゴ~大統領有故~』(2005)や
『KCIA南山の部長たち』(2020)など、
これまでもいくつかあって、
それも本当にドラマチックな歴史として描かれています。
けれども、その暗殺事件のあとに
またこんなすごいクーデターが起きていたのか、
ということを今回の映画でよく知ることができます。
12.12軍事クーデターと呼ばれるこの出来事は、
これまで『第五共和国』(2005年)というドラマの序盤部分で
描かれたことはありましたが、
その一夜のクーデターの裏側に絞って映画化されたのは
今回が初めてです。
本作を監督したキム・ソンス監督は、
自分が高校3年の時に自宅にいて、
事件の発端となる銃撃戦の銃声を聞いて以来、
ずっと胸に抱き続けてきた疑問を
劇映画として再構成したということで、
実体験しているだけに
思い入れもひとしおだったことがうかがえます。
強引に権力奪取をもくろむ男とそこに立ち向かう男
という善と悪の対立になっていて、
時間が経つごとに攻守が入れ替わっていくのですが、
画面上に、時間と場所が都度都度入っているので
観ている側の緊迫感も掻き立てられます。
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強い権力欲を持った男がいると本当に恐ろしいことになる。
自分の野望がある男に邪魔されて気に食わないということが発端で、
強引なやり口がクーデターにまで発展してしまう恐ろしさ。
同じ軍人の仲間同士の殺し合いが行われていくというところも
本当に切ないですね。
劇中の人物の名前は実際の人物とは少し変えてありますが、
この人だ!とすぐにわかる作り。
それだけに、結果は歴史の事実として答えが出ているので
わかってしまうのですが、
それでも、何とかならないのかと思いながら見ました。
チョン・ヘインが特別出演でちょっとだけ出てくるのですが、
やっぱり彼が出てくるとパッと画面が清々しくなるので
すごいですね。
どの司令官に就くかで部下たちの運命も左右されてしまう。
上官の命令には従わなきゃいけないので、
自分の意志とは関係なく、
このクーデターに参加せざるを得なかった人たちも
たくさんいたのだろうなと思います。
いろいろなことを思いながら
本当に自分が中学生ぐらいの時
お隣の韓国ではこんな激動の事件が起こっていたのだな
ということをまざまざと思い知らされる映画でもあります。
◆『ソウルの春』8月23日(金)新宿バルト9ほか全国公開
配給:クロックワークス
映画公式サイト→https://klockworx-asia.com/seoul/
【X】@19791212theday
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